システム診断事例2

販売業 SALE社

<企業背景>

  1. 物品販売業(比較的安価、多品種)

  2. 全国規模のチェーン店

  3. 社長が先進的な考え方で、25年前からコンピュータを導入

  4. POSレジも、20年前から導入

  5. 15年以上前からオンライン処理を構築し、運用

  6. 一応、自社にシステム部をおいているが、日々の運用に忙しく、メンテナンスや、業務処理追加などは、ほぼ100パーセントアウトソーシング。自社のエンジニアは、COBOLしか知らない

  7. システム構築時は、メーカーと、メーカーから紹介されたソフトハウスに開発を依頼した。

  8. 以前から使用してきた専用回線費用が、TOTALで150万円/月発生し、負担になっている。

  9. 業務の状況は次の通り

    (1) 東京に本社、大阪、名古屋、福岡、仙台に、支店、その他は基本的にすべて、販売店。それぞれ、管轄支店の指導を受けるが、競争相手の他店との価格競争時は、直接、本社企画部の許可を受ける。

    (2) 商品の種類が多く、在庫がタイムリーに把握できない。

    (3) 販売活動の参考となる販売実績データや、売れ筋商品などは、他のデータとともに、毎日、本社から各支店に直結された専用線でオンライン送信される。

    (4) 各支店は、管轄の販売店の特徴をつかんで、それぞれに適切なデータを抜き出して提供することになっているが、実際は、ほとんど行っていない。

    本社から毎日送信されるデータが膨大で、いちいち選択できないことと、拡販売店まではオンラインがつながっていないことが原因。 また、各支店では、管轄の販売店ごとの特徴もつかめていない。

  10. 支店からは、本店に対して、有効なデータだけを見やすいように加工して送ってくれるように依頼しているが、本社システム部では、忙しくて対応できないといわれている。

  11. 各支店と販売店からの売り上げデータは、毎晩、レジを締めてからレジの締め処理のレシートをもとに、主要部分を別の用紙に手書きし、本社にFAX送信。

  12. 各店舗のPOSレジは、かなり古いので、リアルタイムにデータを取り出せない。

  13. 商品データの登録は、テンキーを使って行うため、非常に時間がかかる。
    実際は、顧客の売り上げ処理時に、POSレジの商品区分キー押下のみで運用するケースが多い。

<診断結果:全体>

  1. 古くからコンピュータ化に取り組んでいる姿勢は、合理化と顧客サービスに対して積極的な姿勢の現れであり、評価できるが、システムの近代化のタイミングの判断に苦労している様子がうかがえる。現在のテクノロジーと各種環境のコストを勘案すると、次のように判断できる。

  2. 世代交代かなり前に構築されたオンラインシステムを手直しして、ほとんどそのまま使用しており、本社――大規模支店(大阪、福岡)間は専用線で接続。その他の支店は、データ送信時にのみMODEMで接続されるなど、回線の費用は経営面の効果と比べて非常に高価。

  3. POSレジへの商品登録がきちんと行われておらず、実際に売れた商品の商品名がわからない。従って、在庫管理も不十分。

現場では、日々の在庫把握がきちんとできないことを知っており、結果的に、商品入荷時の検品作業もルーズになっている。

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<通常改善勧告>

  1. 締めのあとの報告書作成時の売り上げ計算(電卓で行っている)と、FAXで受けたデータを本社サイドで再入力するなど、非効率且つ、入力ミスの発生源が諸処にみられる。

    また、現在の仕組みでは、本社も、各支店も、おおざっぱな売り上げなどしか把握できないため、日々の実績を販売店舗に反映させることができない。

    現場へのPCの導入などを、システム改良と合わせて検討する事が必要。

  2. 他店との値付け合戦では、本社に伺いを建てることになっているが、本社では、許可や指示を与えるためのデータはシステマティックに管理されていない。

    従って、ほとんど各店舗の言いなりであるとともに、問い合わせに対して、「放っておいても勝手に根付けするだろう」という気分になっており、この仕組みは機能していないため、価格のコントロールが不完全。

    コントロールがきちんとできるような仕組みと、リーズナブルなフローが必要。

<緊急改善提案>

  1. こうなっている原因の一つに、POSレジの機能不足があげられる。

    再度確認し、商品の一括登録やリアルタイムのシリアル出力機能があるならば、これらを有効に利用することが優先課題。

    もし、POSレジにこれらの機能がなければ、通信回線見直しを含めて、システムの機器構成の検討が優先課題。

  2. ここ数年、利益率が頭打ちになっているが、これを打開するためには、大別してつぎの2点が考えられる。

    (1) 商品と情報の流通経路を見直すとともに、ビジネスモデルを分析し、必要ならば、最近の日本の経済状況と購買層の生活環境の変化に適するように品揃え、販売形式、顧客サービスを含めたビジネススタイルを改善、あるいは、改革する。

    (2) 在庫ロスなど、上記のような種種のロスを減らして行かなければ、無駄な費用は一定率発生してしまう。また、専用回線からインターネットに置き換え、各店舗をパソコンで接続するなど、回線コストの削減と、素早く経営データを吸い上げでき、各店舗が必要なデータを直接受け取れるようにシステムを検討する必要がある。



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